【映画】ツレがうつになりまして。【感想】
番外編で映画の感想を書きます。
Amazonプライムで見ました。
原作は本みたいです。実話に基づき書いているようですね。
結論から言うと、「素晴らしい映画」でした。
理由としては、2つあります。
- 美化せず、ウツ病の本質をしっかりと描いている。
- 自分を想ってくれる人が近くにいるありがたさ。
この2つについて深掘りしつつ、感想を書いていきます。
先に、あらすじとしてはこんな感じです。
「うちの家族は、私とツレとイグアナのイグのちょっと変わった家族だ。ツレは仕事をバリバリこなすスーパーサラリーマンだったが、ある朝真顔で「死にたい」ってつぶやいた!病院での診断結果は、うつ病(心因性うつ病)だっった。仕事の激務とストレスが原因らしく、私は「会社辞めないなら、離婚する!」jと告げた。会社を辞めたツレが主夫になり、家事嫌いの私は内心嬉しかったり.......。しかし、収入源がなくなり髙崎家は貧困街道まっしぐら!そこで私は編集部へ行き新しい仕事をもらい、ツレの体調も徐々に回復に向かい、ホッと一安心。そして、小さな躓きのその先には、ある奇跡のような出来事が待っていた。
参照:Amazon.co.jp: ツレがうつになりまして。を観る | Prime Video
1.『美化せず、ウツ病の本質をしっかりと描いている。』
ツレ(映画の夫役、うつ病)となるべくリンクさせたいので、映画に沿って話します。
「うつ病」とは心のストレスなどが原因で起こる病気です。
症状としては倦怠感や吐き気、頭痛、背中の痛みや節々の痛み、その他諸々、心だけでなく体にもあらわれます。
診察を受け、薬を処方してもらい、休養をとって治していくそうです。
うつ病を治す上で大事なことは、
- 焦らない、焦らせないこと。
- 頑張らない、頑張らせないこと。
- 特別扱いをしないこと。
作中でも触れていましたが、それを含めた上で私はこの3つが大事かなと感じました。
作中の印象的な言葉として、「できない じゃなくて しない と思えばいいよ」
この言葉が大事なこと二つをしっかり含んでいてとても良い言葉だなと感じました。
物語が進んでいく上で本人たちはうつ病の本質に気づいていきます。
妻は、夫がうつ病であることを恥ずかしいと思い、周りに打ち明けずにいたけど、それは違うと気づき、改心しました。
ツレは、病気を誰かのために治そうとするのではなく、自分のために治そうと思うようになりました。
この二つは「うつ病を本当の意味で受け入れる」ということを意味しているのではないでしょうか。
妻は、自分だけで抱え込まず、ツレのうつ病を周りに打ち明けることによって、行動をおこし自ら仕事を始めました。
夫は、うつ病を自分のために治そうと思うことで、「周りのために頑張る」といった考えを捨てました。
お互いに、うつ病を本当の意味で受け入れることで真の回復へと向かっていきます。
うつ病にかかっている人がかわいそうと表現するのではなく、うつ病と本人たちがどのように向き合っていくか、周りの環境はどう変わるのか、という部分にフォーカスして描かれる二人の模様は見ている人たちの感情を揺さぶるものとして当然だと感じます。
2.『自分を想ってくれる人が近くにいるありがたさ。』
これは筆者の個人的な共感による部分が大きいです。
これを書いている現在、彼女と同棲をしています。
ツレに自分を重ね、彼女をつい妻役の宮崎あおいさんに重ねてしまったがゆえのことかもしれません。
作中では夫のうつ病を治そうと、でも頑張らないで、自分のペースで向き合おうとする妻が描かれています。
それは特別扱いをしないという部分と重なりますね。
うつ病と向き合うツレを特別扱いせず、静かに優しく見守る彼女は愛と強さに溢れている人だと感じました。
ツレに対する愛がなければずっと見守るなんてできないし、強さがなければうつ病と真剣に向き合おうともできません。
そこには、決して誰にも代わりは務まらない、とても人間味あふれる妻の姿がありました。
ツレに自分を重ねたと言いました。
現在私は24歳で大学を卒業してから1年半が経ちます。
1年半というのは半期留年したからですね。
彼女とは大学からの付き合いですが、二人とも在学している頃、4年生の後期の話です。
私の半期留年はその時点で決まっていました。
しかし、親には打ち明けず、その事実が知れたのは学校から知らせが入ったためです。
彼女には打ち明けていました。
なぜ彼女にだけ打ち明けることができたのでしょうか。
おそらく、「彼女が私のことを想ってくれている」ことと「彼女は自分の弱い部分を知った上で認めれてくれている」ということを確かに感じ取れていたからだと思います。
私は他の人に比べて心があまり強くなく自己肯定感が弱い人間だと度々感じることがあります。
少しの失敗で落ち込んで考えすぎてしまったり、対人関係で少しトラブルがあると「嫌われたんじゃないか」、「よく思われてないんじゃないか」とすぐ考え込んでしまいます。
大学4年生後期のこの期間は特にそれが色濃く出た期間となりました。
親に打ち明けず、バイト先でよくしてもらっている人たちにもはっきり言わず、恩知らずも甚だしいなと感じながらも隠し通してきました。
※バイト先は焼肉屋さんで、当時息子のようにとてもよくしてくれて、将来のこともたくさん心配していただくような、素晴らしい社員さんばかりでした。
また、就活もやりたいことがないからと全く行わず面接に行った回数は「0」です。
親には「怒られるだろうから」、「お金の心配をさせたくないから」という部分から、バイト先には「見栄」から打ち明けることができませんでした。
その事実を抱え込むのは当然私自身で、原因は自分なのに馬鹿馬鹿しいですが相当いっちょまえに気に病んでいました。
その事実を作ったのも他でもない自分で、自分をとにかく責めに責め、後悔を繰り返していました。
せめてお金は作ろうと、焼肉屋さんに加えてコンビニで深夜バイトをしていましたが、入ったお金はストレスもあってすぐにお酒に飛んでいき、半年分の学費を貯めることなんてできませんでした。
程度が違いますが、「死にたい」と思ったことも正直あります。
それは「いなくなりたい」ではなく「いなくなったら何もやらなくてよくなるし楽になる」という考えからです。
「現状から逃げたいから死にたい」と思ってしまったんだと思います。
でも死ぬ勇気もなく本気で死にたいなんて思ってなかったため、そう考えるだけでとどまりました。
そんな中で自分を支えてくれたのは彼女でした。
いろんな事実を全部知った上で私を励まし、認めてくれるような言葉をかけてれたから、なんとか人として生きていられたんだと思います。
普通の人なら当時の私を、「そんなんで大丈夫なの?」や「もっと自分に厳しく頑張らなきゃダメでしょ」と思うだろうし、言うと思います。
それは当然の言葉だし、そうするべきだとも思います。
でも当時の僕からしたらそんなことはわかっているし、いちいち自分にかまわないで欲しいと思っていました。
そんな期間の中で、彼女の異常なまでの愛情表現(好きを連呼、緩みまくった表情筋)と、励ましの言動は、当時唯一の安らぎであり、帰る場所でした。
わかります。
優しくしてくれる彼女に甘えまくっていただけかもしれません。
しれませんというかそうです。
それでも今こうして自分の過去を振り返ることができて、今の自分があるのは彼女がいたからだと思います。
本当に感謝してます。ありがとう。
話がだいぶそれてしまいましたが、そんな自分をツレと少し重ね、彼女を妻役と重ねてしまったというのは少し納得していただけたかなと思います。
誰かを想うって本当に素晴らしいことだし想ってくれる人が近くにいることは本当に本当に本当に幸せなことだなと身に染みて深く深く感じました。
繰り返しですが結論としてとても素晴らしく、いろんなことを教えてくれる映画でした。
興味が湧いた方は是非、見てみてください。